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ネコねこ子猫
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜!!」
何時も静かな星と信仰の白街に盛大な泣き声とも劣らない大声が聞こえてきた。
「カ、カイン様ぁぁぁぁぁ〜〜〜!!」
礼拝堂にバタバタと走り行くのは猫耳だった。
それは昨日の事にさかのぼる。
「おい!!ジャック何処までいくんだよっ!!」
「ドーセ地方。」
そっけなく返された。
そこし(薄く)浮き上がっている。何がって?もちろん青筋ですよ。青筋。(ヴザイ)
「しょうがないじゃん!!道間違えて
エルフ地方まで歩いていったんだからなっ!!」
此処まで来るとビシャスもその仲間たち(←ひどっ)呆れていた。
それよりなんで歩いてエルフ地方まで行ったんだろうか?ドーセ地方は反対側なのに。
「大の男が泣くなっ!!」
キレタ。
・・・・・・さぁジャックはどうなったのでしょうか。
やっとドーセ地方まで来たジャック達は、「ゴブリンの墓場」に行く予定だった。
「あ〜あなんかタナトスも変な依頼するよなぁ〜」
顔がアザだらけのジャックはこの依頼をしたタナトスに文句を言う。
隣からは気妙な息づかいの荒い奇声が聞こえてくるが、気にしないでおこう。
「気になってたんだけどな?なんでシャングリラの方向へ来てるんだ?」
そう。ジャック達の行く方向は一本道の違うシャングリラのテント(?)の前まで来ていた。
「だってさぁ此処に旅の豚像があるじゃん。」
ジャックがぽんぽんっと先を叩く。
「わかったけどよぉ・・・・そいつ誰?」
ビシャスが指した先にはなにか双眼鏡を改造したようなものをつけている一匹のゴブリンがケタケタ笑ながら小さなフラスコを回している。
「オマエタチ。コレ・・・・ノメ。」
ゆらゆらと独特の動き方をしながら、ビシャスの方へ来る。
ブリが。
「なんだよ!!お前。」
「ダカラ・・・コレノメ。」
飲め飲めとすすめているブリの手には青い(というか抹茶?)液体がポコポコとありがちな音をたてている。
「だからなんで俺なんだよ!?」
ブリはフラスコをビシャスの頬に押し付けて笑っている。
ビシャスの方は必死に引き剥がそうと外へ外へ押している。
「アイツラ・・・・コレノンデモ、コウカナサソウ。
オンナ・・・ノホウガ・・・カワイイ?」
いや、聞かれても。
「俺は可愛くなりたくない!!」
ビシャスは容姿、行動、言葉遣いは男そのもので可愛い、綺麗ともかけ離れた方だった。
「びぃ〜しゃぁ〜すぅ〜?」
ジャックはさっきの恨みを晴らしてやるという感じで、オーラを出していた。
「さぁ飲め!!」
「ぎゃぁぁぁぁあぁーーーー!!」
それで今に至る。
カインの前に居たのはピョコピョコと尻尾を揺らし、猫耳を手で押さえているビシャスの姿だった。
「おや?ビシャスさん。何時の間に猫耳に?」
なんて天然なんだカイン様。
「知るかっ!!昨日寝てたら、くすりを迷って!!」
ビシャスは興奮してなんて言っているかわからない。
「おやおや、ビシャスさん。文法が間違ってますよ?」
またもや天然カイン様。(もおええっちゅうねん
ビシャスは「この人は役にたたない!!」と思いオラシオンを出た。(酷
だだだだだだだっっ!!
朝の星と信仰の白街を猫耳の少女が抜けていく。
ものすごい顔で。
「あ〜いつぅ〜(キレ」
アイツとはこんなことになった原因である『アハト』の隊長である。
だんだんだんだん!!
誰かがジャックの部屋のドアを叩いている。
ものすごい強さで。
「だれだぁ〜?」
ジャックはすこし寝ぼけながら壊れかけているドアをゆっくり開けようとした。・・・・・・が、
バンッッ!!
思いっきりドアを開けられ眠気が覚めたジャックはしりもちをつく。
「うわっ!!誰だよ、こんな朝っぱらから!!」
怒りながら上を見ると、形相がすごい猫耳の少女が立っていた。
ビシャスだった。
ビシャスはジャックの襟元を掴み後ろ、前へ揺らす。
「どうしてくれるんだよっ!!」この耳と尻尾!?」
「うわぁっ!!ちょっちょっと!!」
ジャックの言葉も聞かず、揺らし続けるビシャスはすこし潤目になっていた。
ビシャスがすこしおちつた頃、ふと気づくとジャックは倒れていた。
「おいっ!!ジャック!!まだ話は終わってないぞ!?」
「んっ・・・・・あれ?俺はなんでまだ寝てるんだ?」
ジャックは酔いから醒めて見た事のある天井を眺めていた。
「・・・・・ビシャスは?」
自分が倒れた原因である少女を見つけるため、ベットから立ち上がる。
そして後ろを見ると可愛いオレンジ色の猫耳のビシャスが自分の尻尾を持って、ジャックのベッドの端で、足を組みながら寝ていた。
微かな寝息は何時もの彼女とは違い大人しい素直な感じに見えた。
(こうやってると、可愛いのに・・)
ジャックはビシャスの方へ踏みより片足をベッドの上に乗せ、軽く唇を合わせる。
本当に軽いキスだった。
彼女は起きることなく、寝ている。
「しょうがないんだ。猫耳から戻る方法は・・・・・。」
そして彼は再び唇を重ねる。
End